第17回 鎮痛薬・オピオイドペプチドシンポジウム

星薬科大学大講堂に323名の方にご参加いただいた。
今回は日本薬剤師研修センターの集合研修に認定していただいたため、薬剤師の方の参加がこれまでより多かった。


プログラムのように厚生省薬務局麻薬課長藤井基之先生の特別講演と主題1ではがん疼痛治療と麻薬の使用に関する基礎的、臨床的そして行政面からの一貫した講演がなされ、がん疼痛治療の現状と問題点が明確にされた。また、Leon F. Tseng教授の招待講演と主題2ではオピオイド受容体の分子生物学的、薬理学的研究の最近の進歩について受容体の構造、アンチセンスオリゴヌクレオチドの利用、チャネルの役割など点から講演された。さらに、主題3では新規の鎮痛薬候補物質やオピオイド研究の問題点に関する講演がなされた。特に、新規κオピオイド受容体アゴニストに関する報告が2題あり、今後の研究の発展が期待される。


なお、講演要旨の残部がありますので、ご希望の方は星薬科大学薬理学教室・鈴木 勉までご連絡ください。(鈴木 勉 記)

星薬科大学薬理学教室 鈴木 勉
 〒142 東京都品川区荏原2-4-41
 TEL/FAX:03(5498)5787

17回シンポジウムの内容を元に「オピオイド-適正使用と最近の進歩-」(鎮痛薬・オピオイドペプチド研究会編、1997、ミクス)が出版されています。


  • 演題
    PDF
    • 「招待講演」pdf
      • 「Differential mechanisms of antinociception induced by m, e and k opioids」
        Prof. Leon F. Tseng (ウイスコンシン医大・麻酔)
    • 「特別講演」pdf
      • 「がん疼痛緩和と医療用麻薬の適正使用について」
        藤井基之(厚生省薬務局麻薬課)
    • 「International Narcotics Research Conference (INRC) 報告」
    •  植田弘師(長崎大・薬・薬物)

    • 「主題(1)疼痛治療の基礎と臨床」pdf
      1. 「臨床で用いられるカッパーアゴニストのデルタアゴニスト作用」
        ○松宮輝彦、岩尾佳代子、荒井美治、岡 哲雄(東海大・医・薬理)
      2. 「ストレス状況下におけるモルヒネ耐性形成の変容-不安ならびに疼痛の役割-」
        ○高橋正克、中尾 薫、A.F.M.M. Rahman、徳山尚吾、金戸 洋、植田弘師(長崎大・薬・薬物)
      3. 「疼痛下におけるモルヒネの依存性」
        ○鈴木 勉、岸本弥生、三澤美和(星薬大・薬理)
      4. 「モルヒネの連投効果に対する当帰芍薬散の抑制効果」
        ○福永優子、岸岡史郎、田村晃子、西田 茂、井上徳浩、山本博之(和歌山医大・薬理)
      5. 「当帰芍薬散を服用中の患者におけるモルヒネによる癌性疼痛のコントロール」
        ○山西徹治*、伊藤秀一*、西岡信吾*、乾 宏行**、湯川 進**、岸岡史郎***、山本博之***(*:和歌山医大・第2内科、**:第3内科、***:薬理)
      6. 「モルヒネによる癌疼痛治療の実際」
        ○小川節郎(駿河台日大病院・麻酔)
      7. 「メキシレチンの抗侵害作用機序」
        ○亀井淳三(星薬大・医療薬学第2)
      8. 「糖尿病性有痛性神経障害に対するメキシレチンの効果」
        ○松平健平、鈴木吉彦、渥美義仁(東京都済生会中央病院・内科)
      9. 「痛み治療の基礎と臨床」
        ○花岡一雄(東大・医・麻酔)

    • 「主題(2)オピオイド受容体機能」pdf
      1. 「DAMGOによる mu/kappa オピオイド受容体間識別に関与する受容体構造」
        ○家永裕賀、南 雅文、勝又清至、関 貴弘、青木康英、片尾謙利、小野木達弘、佐藤公道(京都大・薬・分子作用制御)
      2. 「DAMGOによる mu/delta オピオイド受容体間識別に関与する受容体構造」
        ○南 雅文、中川貴之、関 貴弘、小野木達弘、青木康英、片尾謙利、勝又清至、佐藤公道(京都大・薬・分子作用制御)
      3. 「オピオイド受容体脱感作と受容体代謝回転」
        ○成田 年、溝口広一、Leon F. Tseng(ウイスコンシン医大・麻酔)
      4. 「ミューオピオイド受容体に対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの効果」
        ○吉川正信、北村 憲、谷口隆雄、金井昌之、小林智美、横上功一、岩尾佳代子、岡 哲雄(東海大・医・薬理)
      5. 「オピオイド受容体を介した反応におけるイオンチャネルの関与」
        ○溝口広一、成田 年、長瀬 博*、Leon F. Tseng(ウイスコンシン医大・麻酔、東レ・基礎研*)

    • 「主題(3)オピオイド研究の進歩と問題点」pdf
      1. 「Kappa アゴニストの合理的設計と合成」
        ○長瀬 博、早川 潤、河合孝治、川村邦昭、松浦博敏、田嶋知子、竹澤優子、遠藤 孝(東レ・基礎研)
      2. 「3-Acetoxy-6b-acetylthio-10-oxo-N-cyclopropylmethyl-dihydronormorphine (KT-95) の薬理作用について」
        ○細木るみこ、新澤伸一、小池勝夫、鈴木 勉*、高柳一成(東邦大・薬・薬理、*:星薬大・薬理)
      3. 「侵害受容閾値低下モデルの下行性痛覚抑制系に関与するオピオイド受容体-修治附子の抗侵害受容作用機序からの考察-」
        ○後藤和宏、鈴木康之、大宮雄司、野口将道、石毛 敦(ツムラ・中研)
      4. 「侵害刺激抑制効果に対する dermorphin fragment analog の拮抗作用」
        ○結城正幸*、櫻田 忍**、佐藤卓美***、木皿憲佐*(*:東北薬大・薬理、**:機能形態、***:第二薬剤)
      5. 「補体 C3a アゴニストの抗オピオイド作用」
        ○吉川正明、高橋正和、Yunden Jinsmaa、高橋正克*、渕上卓也*、金戸 洋*(京都大・農・食品工学、*:長崎大・薬・薬物)
      6. 「ガラニン誘発記憶障害に対する kappa- オピオイド受容体作動薬の改善作用」
        ○鵜飼 良、三浦正尊、亀山 勉(名城大・薬・薬品作用)
      7. 「オピオイド研究/パースペクティブ」
        ○野崎正勝(生産開発科学研)
  • 概要
      

    会期 1996年8月7日(水)~ 8月8日(木)
    会場 星薬科大学 大講堂
    〒142 東京都品川区荏原2-4-41
    世話人代表 星薬科大学 薬理学教室
       鈴木 勉
    〒142 東京都品川区荏原2-4-41
     TEL/FAX:03(5498)5787

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